チーズ

森皮フ科クリニック院長の中央林間日記 は移転しました。

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先日、ちょっと変わったチーズをいただきました。
変わったというか、本格的な、というほうが正確かもしれません。

おそらくフランス産(私はフランス語はわからないのですが、嫁がラベルを見てそうらしいと主張しました)で、半分以上が緑色のカビに覆われています。

私も嫁もチーズは大好きで、お互いのんびり出来る時に食べようね、決して一人の時に食べないようにしようねと牽制し合っていたら、あっというまに月日が流れてしまいました。


そして、ある日。
冷蔵庫の中から、賞味期限を三ヶ月ほどオーバーした本格派チーズが発掘されることになったのです。

「どうする?」と私。
「まあ、チーズは元から腐ってるもんだし、大丈夫でしょ」と嫁。

たしかに冷蔵庫に入ってましたし、ビニールで梱包されているものなので、問題はなさそうです。ところが!

「よし、じゃあ、開けてみるよ」
と、ビニールを空けた途端、あたりに強烈な臭いが立ち込めました。
完全に腐ったものの匂いです。しかも、チーズはなんとなく溶け掛かっていて、しかもカビだらけ

「こ、これは・・・」
「ちょ、ちょっとキツいわね」
さすがの嫁も引き気味です。
しばし、顔を見合わせて


「ちょっとくらいなら平気だよね」「ちょっとくらいなら平気でしょ」

さすが、20年一緒にいると息もピッタリです。


「あなたが倒れたら大変だから、まずアタシが食べてみる」
嫁は健気にもそう言って、まず一口。

「・・・・ちょっと、微妙。大丈夫な気もするし、完全にアウトな気もする」
「完全にアウトって、ヤバいじゃんか」
「でも、もうちょっと食べてみないとわかんないな(パクッ)」
「マジかよ」
「うーん、やっぱ微妙だなあ(パクッ)」
「おまえ、ひょっとして一人で食っちまうつもりじゃないだろうな!」
嫁の企みにようやく気がついて、私もとろけかかったチーズを口に入れました。



すると、牛乳を搾った雑巾の臭いが口の中いっぱいに広がってきて・・・



「美味い!!」


食べ物は腐りかけが美味いといいますが、これは完全に腐り終わっています。でも、その美味いこと!

そこから、嫁と私でむさぼるようにチーズを食べ続けました。


すると、あまりのくさい臭いに何事かとやってきた娘と息子が


「おとうさん、おかあさん、それヤバイよ。絶対食っていいモンじゃなよ!」
「パパ、ママ、やめて! 死んじゃうよ!!」


顔を蒼くして、私たちを止めにかかります。しかし半べそになった娘を尻目に、とうとう二人で完食してしまいました。



その後、幸いにして私も嫁も体調を崩すことはありませんでした。
しかし結局、あのチーズが腐っていたのか、それとももともとああいう味と臭いだったのかは、わからないままです。・・・食べ物って奥が深いですねぇ・・・