クリニック10周年

森皮フ科クリニック院長の中央林間日記 は移転しました。

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前々回あたりに話しましたが、森皮フ科クリニックが開院して10年になりました。

10年ひと昔、と言うくらいですから、開院当時と今とではいろんなことが変わっています。

何が変わったか?

まずは、薬や治療が変わりました。医療は日々進歩しているということですね。

中でも一番変わったのは、ニキビの治療でしょう。

10年前はちょうどケミカルピーリングが出始めたころでした。

このままケミカルピーリング全盛の時代がくるのかなぁ、と思っていたのですが、

保険適応がなくて料金が割高なため、ニキビ治療としてはいまひとつ広がらなかった感があります。

そのうちにメサルモンやジオールといったホルモン剤が廃止になり、

しばらくは抗生剤による治療しか使えなくて、不便な時期もありました。

慢性疾患であるニキビに抗生剤を使用すると、どうしても耐性菌が発生しやすく、

いつまでも抗生剤だけに頼るというわけにはいきません。

そのうちにディフェリンゲルや過酸化ベンゾイルといった抗生剤以外の外用薬が発売になりました。

これらの外用薬は軽症から中等症の維持療法には効果的で、おかげでニキビ治療の幅がずいぶんひろがりました。

しかし、というか、ありがたいことに、当院にはたくさんのニキビの患者さんがいて、なかには重症の方もいらっしゃいます。

そういう方は一般的な治療だけでは改善しないことも多く、現在はさらに強力なアルダクトンやロアキュテインといった治療も行うことになりました。

おそらく、一般の皮膚科クリニックの中でウチほどニキビ治療のラインナップが揃っているところはあまりないでしょう。(ちょっと自慢)

ただそれでも、小児のニキビにはいまでもイオウカンフルローションが良かったりするんですよねぇ。

イオウカンフルローションは、私が中学生の頃に父親から処方してもらった記憶もあるくらい昔からある薬です。

本当にいい薬というのは息が長いものだと感心させられます。

息が長いといえば、ニキビ薬じゃないですが、ポララミンやタベジールもロングセラーです。

今でも蕁麻疹に使うことがあるのこのふたつの薬は、うちの祖父が混ぜたものをよく患者さんに処方していました。(私が小学生のころ、祖父の皮膚科医院のお手伝いとしてポララミンとタベジールを混ぜてたっけ。)

これから先も、まだまだ新しい治療が生まれてくれることと思いますが、

古い治療と新しい治療をうまく組み合わせながら、次の10年も、その次の10年も、まだまだ頑張って行きたいと思います。