アトピー性皮膚炎について

森皮フ科クリニック院長の中央林間日記 は移転しました。

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こう言ってはなんですが、皮膚科というあまり広くないジャンルでも医師によって、得手不得手というか、熱心に力を入れている疾患とそうでない疾患というのはあります。


ぶっちゃけた話、わたしはアトピー性皮膚炎に関してのエキスパートというわけではありません。大学にいたときの専門外来も研究テーマもアトピーとはあまり関係ありませんでした。


ただ大学でアトピーを専門とする先輩や同僚の先生たちの研究の成果を見聞きして、「なるほどこの病気が制圧されるのも遠くないことなんだろう」となんとなく思っていました。


それから年月が流れ、私が医師になって20年以上経った現在、当時よりは治療薬も増えています。しかし残念ながら、アトピーの患者さんが治療に満足できる割合というのはあまり変わらないように思います。塗り薬と飲み薬を毎日こつこつ続ける。結局、この王道的な治療以外には良い方法がないわけです。


医学は少しずつ進歩していますし、アトピー性皮膚炎の研究に関わっている医師は(私の知る限り)優秀な人間ばかりです。そのうちに「毎日こつこつ」というのがなくても快適な生活を送れる画期的な治療ができるようになると信じていますが、現在の段階で、王道から外れた「抜け道」的な治療(?)を進める人間は、医師であろうとなかろうと「インチキ」と呼ばざるを得ません。


別に、保険治療以外、皮膚科学会のガイドライン以外が全部インチキだと言うわけではありません。
たとえばマラセチアにアレルギーのあるアトピーの患者さんに抗真菌剤を使うようなことは、(私はあまりやりませんが)積極的に取り入れる先生もいますし、理論的にも間違っているともいえません。


じゃあ、インチキとそうでないものの見分け方はどうするのか。
とりあえず、確実なことをいいますと、


「これでアトピーが治る」と謳われているものは、全部インチキです。


どんなキレイなホームページでも、どんな雑誌に取り上げられていても、どんな美人の女医さんであっても、です。
間違いありません。